パパ

見慣れた風景を走りぬけ

何も無い道を進むと

湖岸に辿り着いた。

この場所が更に何も無い所だとは知っている。

目の前には南北に細長く広がる

北浦があるだけだ。

せい君を遊ばせ、私はコンクリートで

固められた堤防に

腰掛けると暖かい空気に包まれ

いつしか横になり

一人で無邪気に遊ぶ我が子を眺めていた。

せい君が、こっちに近づいて来た

「パパ何で寝てるの?

寝たら駄目だよ遊ぼう」

私はパパなんだ

当たり前の様だが不思議な感覚になった。

私の様な人間でも

結婚して妻と子供と暮らし

私をパパと呼んでくれる。

いつの頃からだろう

多分、小学生の頃だと思う

人を羨ましいと思い

自分の存在意義がわからなくなってしまっていた。

「自分は弱い。」

そのコンプレックスが強く

より強い人たちの中に

入っていたが望んでいる訳では無い

自分の居場所なんて無かった・・・。

毎日が面白くない

自分が好きじゃ無い

強い人たちの傍にただ居ただけだ。

友達でも仲間でも無い

ただ傍に居ただけだ。

大人と呼ばれる年頃になり

周囲は結婚をしていったが

私は結婚とは無縁であった

自分に自信が無かった・・・。

それでも今は私の事を

パパと言ってくれる妻と子供が

いつも傍に居てくれる。

今幸せですか?

そう聞かれても困ってしまう

「幸せだけど、わからない・・・。」

これが正直な答えだ

かろうじて私も現代人だろう

それでも私に、せい君は「パパ」だと

言ってくれる。

目の前には、いつもと同じ北浦と

無邪気に遊ぶ子供が居る。

子供が私を大人にしてくれているかもしれない。

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今日の1曲はこれ!

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